「し、しっかりしてください!大丈夫ですか!?」 僕は黒ウエアの男に駆け寄ると、その肩口を恐る恐る揺すった。 すると男の左手が僕の右の二の腕をゆっくりとつかんだ。 『あ、生きてる』 と思った次の瞬間、僕の頭の中は、霧が立ちこめるかのように急にボヤけ始めた。