とても人間と人間の闘いとは思えなかった。 風が巻き付くと、そのたびに二人とも身体を大きく後ろにのけ反らせるのだが、段々、サラリーマンの方がその回数を増やしていき、やがて一方的にサラリーマンだけとなった。 「チーッ!」 サラリーマンが叫びながら、跳ねるように後ろに飛んだ。