峰川は恐る恐る言った。 「…あなたとは以前、幕末でお会いしましたよね。確か岡田以蔵を操っていたお方だ。実に久しぶりにお会いしましたなぁ」 目を細める峰川に神妙寺は笑って答えた。 「そうだな。本当に久しぶりだ。あの時のお前は与力だったか」 「ええそうです。江戸は南町の与力でした。あの後、イギリス商人を操って、長らく海外で過ごしたんです。日本には40年ほど前に戻って来ました」