「峰川、お前さんの”カラー”は俺の記憶にはないな。初めましてだ。山木と呼んでくれ」 山木はぶっきらぼうな態度でそう言い放つと、いきなり工場内の使われてない鋼材の束を抱え、えいと遠くへ投げ飛ばした。 大人の男性一人ぐらいの大きさはある鋼材のカタマリが、おもしろいように遠くまで飛んでいった。 「これは素晴らしい!何とも言えないパワーですな」 峰川は子供のようにはしゃいだ。