「有貴さぁ、翔の兄ちゃんになりたいなら、俺と結婚する?」 ──ん? 今、兄ちゃん……何て? 「有貴さ、俺と結婚しようよ」 兄ちゃんの目が…… 瞳の奥が…… “真剣”と書いて“マジ”だ。 有貴さんは……? 有貴さんは、兄ちゃんの“マジ”に、何て、答えるの……? 返事を聞きたくなくて。 有貴さんと兄ちゃんはただの友達なのに。 何故か有貴さんが「いいよ」って。 そう、答えそうな気がしたから…… 僕は咄嗟に──