四月馬鹿、偽りのプロポーズ。【BL】



「しょっ、しょしょしょ、翔……っ!?」


兄ちゃんが驚いた様子で僕の名前を呼んでいる。


こんな僕、兄ちゃんから見たら変だよね。

気持ち悪いよね。

でも、僕は有貴さんが好きなんだ……


「調子が悪いんじゃないならよかった」

「有貴さんは、僕のこと変に思わない?」

「変、って……?」

「僕、男なのに有貴さんに抱き着いたりして……嫌じゃない?気持ち悪くない?」


我ながら、勇気ある質問をしていると思った。


有貴さんが嫌だ、って。

気持ち悪い、って思ってるなら……

僕はもう、こんなことはしない。


だって、有貴さんにとって嫌なことはしたくないじゃん?