そんな梨香子にクスリと笑った。



「そんなに急がなくても大丈夫だよー」


「でもさー」


「大丈夫だって!2席ぐらいどっか空いてるよ!」



そうかなーなんて梨香子が足を止めた瞬間だった。




――ドンッ



あたしの体が後ろに揺れて、バランスを崩しそうになる。




「あ、ごめんねー。中原さん。気づかなかったぁ」



……あ。
いつも澤木さんと一緒にいる子だ。




「大丈夫、みー!?」


「う、ん。大丈夫。」



心配してくれる梨香子に返事をする。




「みー、だって。」


クスリと不気味に笑うその子。
背筋がゾクリとした。