「だから絶対の確信はあった。」
だって俺だもん。
ってどんだけ自信家?俺様?
「というか、そう思い込みたかった。じゃなきゃ、折れちゃうよ、俺が。」
毎日、毎日…先輩先輩と言うあたしを春人はどんな気持ちで聞いていたのだろう。
好きな人の口から自分ではない、別の人の名前が出される。
そんな気持ち…
まるで考えなかった。
「ごめ…春人…あたし…」
「詩乃ちゃんが謝る必要なんかないよ。俺が勝手に好きになっただけだ。」
「でも…無神経だった。」
真剣な春人の気持ちに向き合おうともせず、いつも軽く流してしまっていた自分をひどく後悔する。
自分のことしか考えていなかった。
あたしはどれだけ、春人を傷つけていたのかな…
「いいんだ。詩乃ちゃんが自分を責める必要はまったくないよ。」
だからおいで…?
そう言って差し出された両手にあたしは手の平を重ねる。
あたしの手が重なったのを見て、春人はニッコリ微笑むと、不意に引っ張られ気づけばあたしは春人の腕の中。
「春人…?」
制服越しに伝わる春人の体温にひどく緊張する。
「詩乃ちゃんの気持ちを聞かせてほしい。」
耳元で聞こえる春人の声に全身が熱くなるのが分かった。
本当はあたしの気持ち、とっくに気づいているはずなのに…
きっと一番あたしが自分の気持ちに向き合ってなかった。
ケータイのメモリを消したと言った春人の隣にいた時も
実行委員を手伝うと言ってくれた時も
詩乃ちゃんって
俺にしなよって
優しいよって
大事にするよって
いつもの決まり文句も…
本当は全部全部…
嬉しかったんだ。
体育館裏でのあの出来事を見て、嫌だと思ったのもただの嫉妬だ。
全部…
全部全部…
好きだから。
春人が好きだから…
好きゆえの気持ちだったの…

