5月――――――――



そろそろ夏の日差しが厳しくなる頃



あたし達、新1年生は、林間・・・中学生っぽい言い方をしてみれば一拍移住の為、小さな旅館に来ていた。



用意されたのは、一部屋に2段ベッドが4つある洋室と、布団だけで伸び伸びと広い和室。



部屋選びの時は、多少、洋室よりだったらしいけど、ぶっちゃけどうでもよかった。



あたしん家、主にベッドだし。頑張れば、布団でも寝れるし。



部屋決めの時は、得に何の関心も持たず淡々と実行委員に任せていると勝手に洋室と決まったのだ。



・・・今更、文句は言える立場でもない。



まぁ、文句なんてないのだが。このクソ暑い日差しくらいにしか。



「さーらさ!」



「んにゃ?・・・何だ、恵美か。どうした?」



「何だかとは何だよ!!失敬な!」



「あー、はいはい。で?どうかした訳?」