夕日が校舎を照らし、桜の花びらがピンクから鮮やかなオレンジ色に変わるこの時間。



自分の中で一番、この時間が好きと言えるだろう、夕方。



もしくは、下校時間。



下校時間ともなると、校内は普段の休み時間とは違い、より一層騒がしさを増す時間だ。



人ごみが嫌いなあたしは、先輩や同学年の奴等を掻き分けるようにして門まで向かった。



そのあたしの隣に当然のようにいるのは井原 恵美。



多分、あたしの友達だ。



「なぁなぁ、沙羅砂」



「ん?」



「もう突っ込むのは、やめようと思ってたんだけどさ、何であたしん時だけ扱いが酷いのかな?」



「・・・・・・恵美だから?」



「何ソレ!?あたし何!?」