まぁ、何がどうあれ今は関係ない。



あくまで“先生に言われて”ここに居るのだ。



あたしのせいじゃない。



怒られる、義理もない。



開き直ったあたしは、深緑色の扉を勢い良く開けた。



「・・・・・・?」



鍵が閉まってるという予想もしていたのだが、アッサリ扉は開け放たれ、春風があたしの髪を撫で通り過ぎて行った。



――――――ザァァァア…



風で桜の花びらが巻き上がり、あたしの視界を鮮やかなピンク色に染める。



「・・・・・・っ」



そして



鮮やかなピンク色の花びら達が、動きを止めた時



あたしの視界に入って来たのは



自分と同じ学校の制服を身に纏い、さっきの強い風にも一切動じる事のなかった男の子――――――……