共に話すことがなく、静寂が二人を包む



その様はまるで天使が通り抜けたのを間近で目撃したように黙り続ける
















「…すみません……さすがに言い過ぎました………ただ……私はただ…坊っちゃまに自分を責めないで欲しいと思っているだけです…」




白髪の老紳士が開口し、言葉を失った青年に語りかける














「…あの頃も……オレが子供の頃、泣いていた時も…ここで慰めてくれてたっけ…」



ランクスは地面に座りゆっくりと仰向けに寝ころぶ






「十勇士の時は雷帝様もお忙しい方でしたからね…そういえば…ふふふ…坊っちゃまはあのバカにいつも泣かされていましたね
対照的にアスラ殿はあの時からしっかりしている方でしたがね」




ウジが思い出し笑いをし、ランクスの横に大の字になり供に眼前に広がる青空を奪う




「そういうな…前を向けと言ったのはお前だろ?」



「これは一本とられましたな!ハッハッハッ!」







――やはり、オレは甘えていたな
結局、人間ってのは誰かしらに支えてもらっているもんなんだな
そこに気づくかそれを当たり前と勘違いするかの違いなのかもな…






















どこか輝を見つけられたのか、ウジと一緒に笑うランクス
その輝は手が届く距離にあるが誰もさわろうとしない


何故ならこれに触れようとすれば解ってしまうから
もうあの気持ちに、もうあの人に逢えないことが




しかし彼はそれを受けいれ、その上で彼女を乗り越えていこうとしているのかもしれない
















あなたの心の片隅にはそんな輝がありますか?