「人見知りする人だね。
 きっと恥ずかしがり屋さんだね。」


彼の顔を見てはいないから、
私の想像だが、
きっと、気さくで、嫌味のない爽やかな笑顔で、
優しく喋りかけてくれているんだろう。


そんな優しいコノ人に顔だけじゃなく、
性格でも期待に応えれない自分が




嫌だ…





「……………………」





「…………化膿すると臭いですよね。…………」



なんだよそれ!!!

化膿すると臭いですよねって、
何なんだよそれ!!!
どんな会話してんのよ私!!!
もう、最悪だ!!!


「そうだよね!!
 化膿するとホント臭いよね!!
 あれはヤバイよ!!
 君もなった事あるんだ?!
 俺もあるけど、ホント臭いよねぇ!!」


意外にも喰い付いて来た!
新しいゲームを買ってもらった子供のように
キラキラした目で化膿なんかの話をするコノ人を見て
ついつい笑ってしまった。


化膿の話をこんな楽しそうに話す人を初めて見た。
変わった人だと思った。


でも冷静に考えてみると、
この耐え難い空気をなんとかしようと、
私の渾身の一言を盛り上げるために
必死に頑張ってくれているんだと気付いた。


その瞬間、私の笑顔は微妙なものになった…


コノ人は一般的な良心よりも
とっても強く、優しい良心を持っている…






とっても強く、優しい良心を持っているコノ人が、
手に持っていた、凄く上手な絵の描いてある道具箱みたいな箱から
何かを出そうとしている。