気が付くと、私は学校の教室にいた。


下からは煙のにおいがする。

ここは三階。

誰もいない。


状況がなかなか把握出来ない。


とりあえず理解出来たのは、下の階が燃えているということ。


「ここから逃げなきゃ」


非常階段の場所は知っている。


私は走って非常階段の場所に行った。


「ないっ!!」


あるはずの非常階段はなくなっていた。

それはまるで、最初からなかったかのように。


ほかの場所も探してみた。


でも一つも非常階段はなかった。


「嘘でしょ!?」



とうとう煙が三階にも広まってきた。


少し息が苦しい。


しかたなくほかの脱出方法を考えた。



「うわぁー!!!!」


驚いて私は叫び声をあげてしまった。


理科準備室の前を通った私が目にしたものは、人体模型だった。


それは確実に私の方を向いていた。


大きな目が私を見つめる。


そしてその人体模型はゆっくりと歩き出した。


私は走ってそこから全速力で逃げ出した。


しばらくして後ろを振り向く。


誰もいなかった。


一刻も早くここから逃げ出したかった。

だがしかし、脱出方法はまだ見つかっていない。



「あっ」


ふと、ある教室に目が留まった。


窓が開いている。


一瞬、窓から飛び降りようかと思った。
だがここは三階。

死ぬ可能性がある。


一か八か。


生きるか死ぬか。



私は窓に走っていき、勢いよく窓を開け、そこから飛び降りた。