そうだったんだ…

そんなことを考えて家出してきたんだ…

改めて創美の優しさを知った。

他人を思いやる気持ち…

創美の目的を知って、俺は嬉しくなったが、同時に申し訳なくなった。



「ベトナムに行かなくていいの?」



そうだ。

こんなところにいていいのか?

さっきまで真顔で話していた創美の顔が笑顔になった。



「うん。いいの。スンリさんの側にいる。」



そう言って、創美は俺の胸に頬を当てて、腕に力をいれた。


俺もさっきより力を込めて、創美を抱きしめた。