夕暮れ時に、独り言を
言いながら歩いている
杏の瞳に、蒼一の姿が映る。
 
「一人で、何を嬉しそうに
 話してるの?」

「ソウちゃん
 聞こえてたの・・・
 今日は、どうしたの
 誰かと待ち合わせ?」

「いや、アンを待ってたんだ
 この間の答えを聞きたくて」

急の出来事に、動揺する杏。

しかし、彼女の心は決まって
いたので、ひと呼吸ついて
心を落ち着かせて、蒼一に
答えを伝える事にした。
 
「ソウちゃん
 ちょっと、歩こう」
  
「ああ」
  
黙ったまま、ひたすら並んで
歩く二人、杏の家から
少し離れた場所にある
川辺で立ち止まる。

「ソウちゃん、ごめんなさい
 あのね、わたし・・・」