「ユリちゃん、いいの」

「いいよ
 これでも昔、メイクの
 勉強してたからね任せなさい
 
 用意する時に声をかけてね」

「やった、お願いします」

お店の開店準備をしていた雅也
は、百合の姿が見えないので
少し怒っていた。

「シン、ユリはどこに行った
 店の用意もしないで」

「今は、アンちゃんのライブの
 準備を手伝ってますから
 もう来ると思います」
 
「何、やってるんだ~
 この忙しい時に」

雅也は、前掛けをはずして
カウンターに置き

店から家へ入り、百合を呼びに
杏の部屋の前に立つ。
 
「開けるぞ」