静かな道、瑠璃子の声が響いた
 
「ミナミ
 元気そうで良かったね
 
 あの頃
 すごい荒れてたもんね」

「子供にとって、親が離婚する
 ってすごい問題だもん
 おばさんが男の人と
 蒸発しちゃうなんてね」

二人は、それ以上は何も
言えなくなり黙り込む。

「アン、今度のライブ
 あのドレス着て行こうか?」

「うん
 でも、目立つだろうね」

「上着を普通にしたら
 そんなに目立たないと
 思うんだけど」

「そうだね、私スカートの丈を
 少し腰元で調節しようかな」

「ライブまで後少し
 新しいアルバムを聞いて
 その日を、待つとしますか」
 
「そうしましょう」

杏も瑠璃子も、あのような
出来事は、もう二度と
起こる事は無い

そう思っていた。