蜜林檎 *Ⅰ*

不安な想いは

そのまま言葉になる。

「お父さん、私とイツキの事
 を許してくれるかな・・?」

「正直、許してくれないかも
 知れない
 俺がユリを深く傷つけたから
 ユリはあの後、精神科に通う
 事になると最後に親父さんが
 話してくれた」

杏は精神科という言葉に
思い当たる節がある。

「あっ、それで・・・
 ユリちゃんが最初に結婚した
 相手の石井さんは精神科の
 先生だったのね」
 
「最初?」

「そう、ユリちゃんは
 一度離婚しているの・・・
 
 最初の結婚相手だった人は
 きっと、担当の先生
 だったと思う
   
 私はまだ小さかったから曖昧
 な記憶だけど、ユリちゃんが
 石井さんと別れる時に
 レツの親権を病気のせいで
 とれなかった・・・
   
 そう夜中に、お父さんと
 泣いて話してるところを
 聞いたから」