その夜、樹の携帯電話から
朔夜の大きな声が洩れる。

「イッキ、飲みにいこう」

「早く、降りてこ~い」

お酒にほろ酔いの朔夜、博臣
圭司の待つ車へ向かい乗車
する樹。

「でっ
 なんで運転は俺なの?」

運転してきた圭司は、樹が
降りてくる間にビールの
缶を開けて飲んでいた。

「まっ、いいけど」

「じゃっ
 出発しちゃってくださいな
 セイゲツヘ」

朔夜の言葉に驚く樹は
ブレーキを踏む。
 
「サクちゃん
 それは駄目でしょう」
 
酒に酔った朔夜に言い聞かす
圭司。

「なんで
 もう、昔の話でしょ」