困難なんて何も無い・・・

樹は、そう思いたかった。
   
しかし少なからず、今後
揉め事は確実に起こるだろう。

樹は、過去の報いを受ける
時が来た。

でも、唯一つ

分かっている事は・・・
   
『杏には、俺が必要で
 俺には、杏が必要』

だという事・・・

樹は、杏に全てを話そうと
思うのだった。

翌日、早めに帰宅した杏に
百合は優しく微笑んだ。
 
「久しぶりに彼と
 ゆっくり過ごせた?」

照れながら頷く杏の傍に近寄り
小声で話す。

「お父さんには、ルリちゃんと
 一緒だって話してあるから
 心配しなくていいよ」

「ありがとう、ユリちゃん
 ・・・いつもごめんね
 もう少ししたら、みんなに
 紹介できると思うから」

「本当、楽しみだな~」

幸せに満ち足りている杏の笑顔
はキラキラと輝きを放っていた