「だから、ステージやテレビで
 貴方を見つめているだけで
 私は、幸せだったの
   
 貴方の声を聞いているだけで
 ・・・ 
 
 でも、今は違う
 私は、自分が怖い・・・
 
 母のように私は全てから
 貴方を奪いたい
 
 あなたを
 私だけのものにしたい」

「心配しないで
 俺は、杏だけのものだよ
 俺たちには、何も困難は無い
 俺はひとりきり、家族なんて
 どこにもいない  
 おまえをいつでも受け止めて
 やれる
 おまえが望むなら、今ここで
 
 永遠の愛を

 神に誓ってもいい」

杏は、樹の言葉に驚く。

樹はもう一度、優しく杏を
抱きしめた。
 
「イツキ、それって・・・
 プロポーズ?」

樹は、頷いた。

「うれしいよ、イツキ・・・
 私、うれしい」