蜜林檎 *Ⅰ*

バンドで一旗揚げようと樹達は
故郷を出て大都会、東京へ
出て来た。
   
しかし現状は、バイト三昧の
日々が続き得た少ないバイト代
は、全てライブ代に消えていく

滞納された家賃を送れて支払う
日々、光熱費が支払えずに止ま
ってしまった時も何度もあった

食べる事もままならない・・・

余った金があれば酒を買い

皆で飲んだ。

そんなある日、朔夜の実家から
の思いがけない仕送りが届き
その金を持って近所の飲み屋へ
飲みに出かけた。

そこは、『青月』・・・

初めて雅也に会う。
   
彼は痩せ細った樹達を見て
店の、のれんを外した後
頼んでいないにも拘らず
あるだけの料理を出してくれた
   
「若い奴がしけた面してないで
 ほらっ食え」
  
その時に食べたハンバーグと
杏の作ったハンバーグは
同じ味がした。