蜜林檎 *Ⅰ*

「打ち合わせ、打ち合わせ
 打ち合わせ、いつも
 そう言っていればいいと
 思っているんでしょう」

「ユリ、俺、そろそろ仕事に
 行かなくちゃいけない
 帰ってからまた話そう」
 
百合は黙ったまま

樹に背を向けている。

「ユリ、行ってくるから
 ・・・すぐ帰るよ」

樹は仕事へ向かい、百合は
広い部屋に一人残された。

その夜、樹は約束どおりに
早く家に戻り

百合は手料理を振る舞い
とても上機嫌だった。

でも、百合の心が落ち着いて
いられたのは

樹の胸に抱かれて眠る

この、ひと時だけ・・・