「でも、あの頃があったから
 こそ、今の俺達がこうして
 好きな音楽だけを続ける事
 ができるのも、確かだ」

「イッキ、ゆっくり
 答えを出せばいいよ
 
 アンズちゃんと一緒に
 居たいなら、居ればいい
   
 親父さんだって
 ユリちゃんだって
 わかってくれるよ
   
 イッキが
 アンズちゃんを
 大事にしてあげれば
 いいだけのことだよ
   
 もう、昔のことなんだから」

『昔のこと・・・

 なのか・・・』

黒いベッドに身を委ね

樹は眠る。
 
深く・・・

深く・・・

ここは、夢の中・・・・

懐かしい声が響く。

『イッキ

 ずっと一緒にいようね』