ブラウンの床に配置された

黒色の大きなベッド。

黒いシーツから覗く

杏の透き通るように白い肌。
 
首筋、肩、鎖骨、胸元・・・

そして細い腕
 
全てが、シーツに映える。

ほんの少し開けられた窓から
強い風が室内に流れ
カーテンが靡いて開いた。
 
二人はベッドに横になり
見上げた東の空は
もう、仄明るくなっていた。

「もうすぐ、朝が来る・・・」

杏は、朝が訪れると樹と
別れなければならない。
 
愛しい人に、やっと逢う事が
できたのに、また逢えなって
しまう。
 
寂しい想いを胸に、そっと
樹の左手に触れた。

「朝までは、まだ時間があるよ
 ・・・話をしよう」