蜜林檎 *Ⅰ*

彼の瞳に、杏が映る・・・

二人は、唇を重ねた。

「夢じゃないんだ
 人を好きになると自分の感情
 を押さえられなくなる・・・
 
 わたしであって
 私じゃないみたいに」

樹は、優しく微笑んだ。

「今日は、何か用事があるの」

「特に何も・・・ありません
 
 あの時は、あの場所に居る事
 ができなくて・・・
 ごめんなさい」

「俺も、ちょうどオフだから
 二人だけで出かけようか」

杏は、このまま誰にも邪魔され
ないこの場所で、二人だけで
ゆっくり過ごしたいと思いを
告げた。

「じゃあ、夜は二人だけで
 何かおいしいものを
 食べよう」

「あの、昨日は途中で帰ったり
 して、皆さんにとても悪い事
 をしてしまいました」

「そんなこと杏ちゃんは
 気にしなくていいよ
 みんな、いい奴だから」