大歓声に我に返る。 


「寺崎くん、すごすぎ!!」 


なっちゃんも、見たことがないくらい興奮している。 


寺崎くんが、相手チームのボールを奪いフリーのまま、華麗にシュートを決める。 


その瞬間にも、やっぱり、あの男の子の影が重なった。 


あたしはポケットへ手を入れると、彼がくれたバスケットボールのキーホルダーを握り締めた。