なんて、ふざけた…でも幸せな瞬間。 


キーンコーンカーンコーン… 


無情にも予鈴が鳴る。 


「い…行かなきゃ…」 


呼吸を整え歩きだそうとしたあたしの手を、寺崎くんの手が捕まえた。


思ったよりも、大きいんだな… 


少し頬を染めて、寺崎くんが歩きだす。 


夢を見てるみたいに… 


幸せだ。