「あたしね、なっちゃんが寺崎くんのこと好きだと思ってたんだ。」 


「え?!」 


なっちゃんが、濁点がついたかのような醜い声を発した。 


「何?!その声!!」 


あたしは思わず笑いだした。 


「そんな風に見えてたんだあ。」 


「そりゃ見えるよ!すごく仲良さそうだったもん!蓑島くんも、寺崎くんて、他の女の子とはあまり話さないのに、なっちゃんとは話すんだって嘆いてたよ。」


なっちゃんが苦笑する。