ピタリと止まったままの佐原の兄貴。



おーおー…
なんともまぁ、
マヌケな顔しちゃって……



「そ、それは本気か…?」

「えぇ、まぁ」



言っとくが、佐原の事に関しては、本気だ。



いい加減な気持ちではない。



他の女達とは違う、“好き”だという、感情。



「まだ会って…間もないじゃないか……」



佐原の兄貴は動揺しながらも、聞いてくる。



「そうですね、けど、本気、ですから。」



突然湧き出た感情。



唐突すぎかもしれないが、自覚してしまった以上、止める事はできない。



俺は……佐原が好きなんだ………



「…お前に琥珀に対しての気持ちはよくわかった……」



力なく座る佐原の兄貴。



「だが!納得はできても理解はできん!琥珀をこれ以上貴様の元に置いてけるかぁぁぁ!!!」



また立ち上がった。



忙しいな、



「別に、確かに俺は佐原に恋愛感情を抱いてますけども、佐原自身は俺の事、好きではないですよ。」



そう、佐原は俺に恋愛感情を抱いていない。



別に、今はそれで構わない。



今は……ね……



いつか、きっと、俺を好きにさせてやる……



この俺の自信は……これから、確証へと、変わる………