やはり、先輩に勝てる人はいない。



「だ、だが……」


「超、大事な妹さんを冷たい雨の中走らせるんですか?」


「うっ……」



かわいそうに……



「風邪をひかせて?んでこじらせて?容態が悪化して?それから……」



「わかったゎ!泊まるゎ!コンチクショー!!」



「かしこまりました。」



くるりと振り向いて先輩は居間に入った。



拳を握ったお兄ちゃんは震えていた。