ペットだなんて、言わないで


 周りからしたら俺らは普通のカップルで……それ以前にハルは普通の女の子として見られてて……


 本当は猫が人間に変化しているだけなのに。


 なんか不思議な感じが俺を包み込んでいたので、ハルの呼びかける声に気が付くまで時間がかかってしまった。


「悪い。どうしたの?」

「洋服どこ~?」

「あぁ、えーと。ひとまず六階だな。エレベーターで行くか」

「えれれ?」


 それを聞いて思わず吹き出す。


「エレベーターだよ」


 ハルにとっては全てが初めてなんだよな。


 エレベーターだって、こういう人混みだって、きっと全てが輝いて見えているのかもしれない。