ペットだなんて、言わないで


 カマボコを小さく千切って、箱の中に入れてあげると、ガツガツと食べ始めた。


「可哀想だよな~こんな大きくなって捨てられるなんて」



 猫が美味しそうに頬張るのを見て、そっと立ち上がる。


 するとそれに気が付いた猫が、とっさに箱から飛び出てきた。


「え? え? 何?」


「にゃーん」


 すりすりとしてくるこの猫が、急に愛らしく感じる。


 誰にも相手をしてもらえず寂しかったのかもしれない。



 そんな猫を優しく撫で、心を鬼にして‘さよなら’と呟いた。