「抱っこ、してあげるから」



 その一言で途端に笑顔になったハルは、嬉しそうに俺の膝に乗ってくる。



 そしてすりすりと頬を合わせ、ぎゅうっとしがみついてくるが――俺の両手はソファーの上だ。


 抱っこをしてあげると言ったものの、さすがにマズイ。


 猫じゃなくて……もう立派な女の子だから。



 やっぱり気を遣う。