「抱っこして?」


「えっ!?」


「抱っこ♪」



 いつもなら俺から抱っこするのに、今日は一度もしないからきっと不思議だったと思う。



 猫じゃなかったら……いくらでも抱っこするのに。


「じゃあ、いい」


 ふてくされたハルは立ち上がり、寝室の方へ向かっていく。


「ハル! 分かったよ!!」


 彼女は振り向くが、こっちに来ようとしない。