「チッ」

「おい! 先輩に舌打ちするなんて五百年はえーぞ!」

「はいはい」


 健治さんは俺の微妙な想いに気がついているのかもしれないけど……


 なんか言う気にはなれなかった。



 言いたくないんじゃなくて、変に後押しされたくなかったんだ。


 人にはペースがあるから……それを乱されるのは嫌だった。