お父さんがいなくなった後、沢山の親戚の家をたらい回しにされて、とうとうあたしは家出した。 「あの子なんていなければ良かったのに!!いい迷惑だわ…」 それを偶然聞いてしまったから。 もうここにはいられないし、いたくない。 かといってもうどこにも行く所なんてないあたしは、僅かな着替えと大切な宝物達をキャリーケースに詰め夜の街をぶらぶら歩いていた。