防衛要塞都市

そしてまた、リーはコンピュータへと向かった。


セイルはスクリーンを見ながら、コーヒーをすすった。


『準備完了。』


スクリーン横のスピーカーから、無線を通した、やや聞き取りにくい声が聞こる。


「さぁ、戦闘開始だ。」


声に続きそう言ったリーは、最後にエンターキーを力強く押した。


それと同時に、街中に警報が響き渡る。


警報が止まり、暖かい風がひゅうと吹き、街はどこか緊張感に包まれた。


しばらくして、スクリーンに写る大通りが手前から沈み始め、巨大なスロープを作った。


「……すごい。」


セイルが感嘆の声を漏らすと、そのスロープから勢い良く1機の戦闘機が飛び出した。


銀色の機体は朝日を反射して輝き、街の上空を華麗に飛行する。


『こちらエア001。通信状況確認。』


真剣な声がして、それにリーは応答する。


「こちら司令室。通信状況良好。敵戦闘機は三機。全機撃墜後、大通りにて通常着陸せよ。」


『了解。』