防衛要塞都市

セイルは、リーの横に置いてある椅子に座って、カメラからの映像をいくつも並べて写していたスクリーンを眺めた。


彼は何気なしに、そういえば、と話し始めた。


「先程呼び出しの放送がありましたが、何だったのですか？」


「ん？あぁ、あれね・・・。」


リーは頭を掻いて、カタカタとキーボードを打った。


やがてスクリーンに表示されたのは、映像の目の前に現れた“敵戦闘機三機接近中”の文字だった。


スクリーン全体に、朝日が昇る地平線を背景にした街が写される。


一直線に伸びる街の大通りには、無残にも大量の焦げ跡がついており、弾痕も多数見ることができた。


建物は、崩壊しているものがいくつもあり、窓ガラスが割れていないものなどほとんど見当たらなかい。


眩しすぎるその映像の彼方に、ぽつんと、米粒くらいの大きさの空に浮かんだ黒い影が、3つ見えた。


「どうやって撃墜するんだ・・・？」


セイルが不思議そうに呟いて、


「見てればわかるよ。」


リーが、ニヤリと笑って答えた。