防衛要塞都市

土気色をした街で、一際目立っている漆黒のビル。


その内部は、司令室、勤務員の寝室、武器・兵器格納庫など、縦にも横にも奥にまでも広い作りとなっている。


外壁は分厚く、その防御力は高かった。


そして、この防衛都市の地下数百メートルには、巨大な地下都市が存在している。


他に地下都市はないので、その名は“地下都市”。


他に防衛都市もないので、その名は“防衛都市”。


地下都市には、少数の人間を除いて、その国の人々が生き続けていた。


その少数とは、秀でた者の中の秀でた者、いわゆる“天才”達のことを指している。


射撃、司令、飛行、様々なジャンルで、尚且つ戦闘に応用できる能力を持ち、その能力が一際優れている者。


彼らは、地下へは何度か足を運ぶだけで、ほとんどの時間を地上で暮らしている。


地下で繰り返される平凡な日常は、地上で繰り広げられる戦闘により護られているのである。