防衛要塞都市

リーは去って行き、セイルは一人で屋上にいた。


狙撃銃を構え、都市をスコープで見渡している。


不意に、頭に何かが当たり、上を見ると、ヴィンヤードが彼を見下ろしながら立っていた。


「それ、小型無線機。ルイーズからそれで通信来るから。」


怖さのない程度の棒読みで、彼女は言う。


「ありがとうございます。」


ぶっきらぼうにそう言うと、セイルは素早くイヤホンを耳に付け、機械をポケットに入れる。


二人は無言で、スコープを通した都市を眺めた。


太陽はゆったりと移動していく。


静かな都市に、やがて銃声が響いた。


「ヘタレが。丸見えだ。」


ヴィンヤードが呟き、セイルはスコープを動かす。


すると、路地の片隅で、人が血を流して倒れているのが写った。


弾丸は足を貫通したのか、その人物は足を抱えて悶えている。


セイルは銃の引き金に手をかけたが、


「焦るな。あれは私の獲物よ。」


ヴィンヤードの声に、指から力を抜いた。