防衛要塞都市

―――


銃声が、響いた。


死んでいるように突っ立っている、葉のついていない木に泊まっていた小鳥が数羽、風を切り裂いて飛び去っていく。


カラン、と音がして、空薬莢がコンクリートの上に落ちた。


太陽は高い所まで上っているが、その日差しはあまり強くなく、時折吹く肌寒い風が、廃虚だけの都市を突き抜ける。


「うん、さすが、セイル准将の教え子なだけある。」


弾丸によって弾き飛ばされた木の枝を双眼鏡で捉えながら、リーが言った。


中腰で狙撃銃を構え、微動だにしないセイルが、


「・・・息子だから、とは言わないのですね。」


口だけ動かして呟くように言う。


「親が凄ければ子が凄いわけではないだろ。上等兵の場合、師匠が親だっただけさ。」


リーは続ける。


「じゃあ次、さっきの木の横にある建物のドアノブ。」


また、銃声が響いた。