防衛要塞都市

「え、何が……?」


何が起こったのかわからないセイルは、訝しげな顔をリーへと向ける。


画面には、水平を保ちゆっくりと飛行する敵機が写った。


「あれは、ルイーズがすれ違いざまに機関砲を撃ったんだと思うよ。見えなかったけど、たぶん。」


速度、高度共に落としていった、黒いだけの敵機、やがてそれは、大通りへと不時着した。


機体とコンクリートで火花を散らし、やっとのことで停止する。


『見たか軍曹!俺の実力を!』


ルイーズの歓喜の声が、通信で入ってきた。


セイルが、ええ、凄かったです、と答える前に、


「お見事でした、ルイーズ少尉。」


カシワギがルイーズに感想を告げた。


『うぇ!?少将・・・!あ、ありがとうございます!光栄です!』


ルイーズが機体の中で、完璧な敬礼をしながら言った。