防衛要塞都市

画面に写る敵機二機は平行に並んで、街の上空を一直線に、漆黒のビルを目指して飛行していた。


その後ろを、猛スピードでルイーズの機体が飛行している。


すると一機が、ミサイルをビルに向かって発射した。


それを合図に、もう一機が上空へと進路を変える。


発射されたミサイルは、為す術もなくビルへと突き進んでいく。


「良いんですか?」


セイルが画面から目を離して、リーに問う。


「対処中だ。」


彼は既に、キーボードをピアノの鍵盤の如く叩いていた。


すぐに演奏は終わり、スクリーンにビルの外壁が写った。


日の光を反射していたその鋼鉄の一部が、内側に吸い込まれるようにして消える。


そして、黒い何かがそこから飛び出し、速度を失うことなく、真っ直ぐに、敵のミサイルへと突っ込んでいった。


寸分の狂い無く正面衝突したミサイル達は、その衝撃に耐えることなく爆発し、都市上空で派手に散った。