月夜の影



夜も深くなった時刻。
私は大塚真紀子の家の前にいた。
小綺麗なマンション。

ピンポーン

インターホンを押すと真紀子が出てきた。

「どなた?」

「私、雅彦さんの姪の綾子と申します」

「雅彦さんの?どうぞ、入って」

親類だと丁寧なのね。
まぁ…もしこれが雅彦に知られたらマズイものね。

「どうぞ、座って」

真紀子は金髪のロングを軽く結んでいた。
動くたびにゆらゆらと揺れている。