月夜の影




「あ。一つ、聞き忘れていました。
あなたが依頼した理由は?」




「あの人は…夫はあの女に騙されたの!
夫は貯金をあの女に貢いだの…!」

初めて見た…
先生のあんな怖い顔。

「そう…ですか」

真紀子が悪いのか、旦那の雅彦が悪いのか…

それがわかるのは神だけかもしれないわね。


「では、失礼します」

私は先生のもとを去った。