「だって、刑務所に入っても私が償いきれたわけじゃないじゃん。 なのに生きているなんて…」 「お前は悪くない。自分を責めるな」 健也は私の手を握り締めた。 「…この傷、どうした」 「昔の傷。入院してたときに」 「そこまで自分を追い詰めてたのか」 「そんなの、まだ痛くもないわ」 私が殺した人たちの痛みに比べたら。