「佐々木君、待って!!ちゃんと話しを聞いて!!」 佐伯さんが、走りながら、僕を追い掛けて来る。 「…ハアハア…お願い…話しを聞いて。 あなたには、何か怨念めいた人物がいる。 早く徐霊して、取り除かないと大変な事になっちゃう。」 僕の右腕を掴んで、必死に懇願する佐伯さんを、僕は睨みつけた。 その瞬間、体の中がザワザワと騒ぎ立てた。 「いい加減にしてくれ。 僕は、いまだ愛してる女性がいる。 その女性の心を手に入れてやる。」 僕の目の前の女の顔が青ざめていく。