「何で?」 「だって…目の下クマになってるよ。 テレビでも見てたの?」 そう言って、自分の目の下を触りながら、笑った。 「や…テレビじゃない。」 僕の頭の中を、夕べの事が過ぎった。 うなされてるのに、艶っぽい姿…。 母親に対して…僕は。 「…夢?ね、どうしたの?歩夢ってば。」 僕のブレザーの肩の部分を揺すりながら、不安げな瞳で僕を見る梨華。 「ごめん…何でもないよ。行こう。」 「変な歩夢…。」